作業完了時の記録と保証の条件を確かめ、気づいたときの連絡に備えます。

「作業は終わりました」と言われたとき、その場で何を確かめればよいのでしょうか。しばらくして、また天井の上で音がした気がしたら、どこへ連絡し、保証は使えるのか。
この記事では、作業が終わるときに受け取る記録を確認表で整理し、保証と再訪問の条件を読み直したうえで、再び何かに気づいたときに契約先へ相談する手順をまとめます。
工法の良し悪しや、再発するかどうかの見通しは扱いません。必要な作業は家ごとに違い、一律には言えないからです。依頼前の見積の比べ方は「害獣駆除の見積を、同じ条件で比べる」に、保証の比べ方の基本は「業者選びで確認したい、6つのポイント」にまとめています。この記事は、依頼したあとの記録と、契約先への確認を扱います。
- 作業が終わる前に確認する記録
- 施工範囲と報告を見返す
- 保証と再訪問の条件を確認する
- 再び気づいた変化を相談する
- 駆除後の対策でよくある質問
01作業が終わる前に確認する記録

作業の完了に立ち会うときや代金を支払うときは、記録を確かめられる機会です。報告書や写真をいつ・どんな形で受け取るかは会社によって違う場合があるため、業者が帰る前に「何を・いつ・紙と電子のどちらで」受け取るかを聞いておくと、受け取り漏れに気づけます。作業が済んでいる場合も、手元の書類で下の確認表を埋め、足りないものを契約先に問い合わせれば十分です。
見積や契約書面と違う請求に納得できないときは、国民生活センターが害虫の事例で助言しているように、後日納得した金額で支払う意思を示しつつ、その場での支払いは避ける方法があります(相談先は第4節)。
契約の書面は、法律で交付が決められている場合があります。消費者庁の特定商取引法ガイドによると、訪問販売や、事業者の電話での勧誘によって契約する電話勧誘販売では、事業者は会社の名称・住所・電話番号、担当者名、作業の種類と対価、支払の時期と方法、クーリング・オフに関する事項などを書いた書面を渡さなければなりません(消費者が承諾すればメールなどでの提供も可能です)。ただ、どの取引に当たるかは依頼の経緯で変わり、この記事では判断しません。保証書・報告書・写真の扱いは会社や契約によって違うため、受け取っていないものは受け取れるかを聞き、下の確認表に書き込みます。
国民生活センターが2018年に公表した資料には、ネズミ駆除の作業後、見積書や契約書を受け取らないまま、数日で天井を走る音が聞こえたという相談事例があります。何をどこまで頼んだのかを後から確かめる手がかりは、書面です。
作業完了時の確認表(受け取ったものは内容をメモし、受け取っていないものは「未確認」のまま残します)
| 確認する項目 | 受け取ったか・内容のメモ |
|---|---|
| 見積書(作業前に受け取ったもの・日付) | 未確認 |
| 契約書面(紙か電子か・受け取った日) | 未確認 |
| 契約した会社の名称・所在地・電話番号・担当者名 | 未確認 |
| 施工した場所と数 | 未確認 |
| 実施した作業(駆除・侵入口への対策・清掃消毒・修繕など) | 未確認 |
| 作業前後の写真(どの場所の写真か) | 未確認 |
| 作業報告書(作業日・作業内容) | 未確認 |
| 保証書:期間といつから数えるか | 未確認 |
| 保証書:対象(場所・作業・動物) | 未確認 |
| 保証書:対象外になる条件 | 未確認 |
| 保証書:保証を使うときの連絡先・受付時間・手続き | 未確認 |
| 次回点検や再訪問の条件(予定・回数・費用) | 未確認 |
| 支払い済み金額と内訳(支払日・支払方法・領収書) | 未確認 |
確認リスト
- 何を・いつ・紙と電子のどちらで受け取るかを、業者が帰る前か、あとから契約先に確認した
- 契約書面の会社名・連絡先・担当者名・契約日を確認した
- 保証書・報告書・写真を受け取れるかと、届く時期を聞いた
- 受け取った書面と写真を一か所にまとめ、受け取った日を書き留めた
02施工範囲と報告を見返す
記録がそろったら、見積や契約書面と並べて「どこに・何を・いくつ」行ったのかを見返します。作業は、捕獲や追い出しなどの駆除、侵入口への対策、ふん尿の清掃・消毒、修繕のように目的ごとに分けると整理しやすくなります。すべての家で同じ作業が必要なわけではなく、国民生活センターも、害虫の事例ですが、作業内容は発生原因や状況などによって様々になるのが一般的としています。見積にあった作業が報告にないときは、行わなかったのか記録漏れかを契約先に聞きます。
自治体の捕獲事業を使った場合は、侵入口への対策などを別の事業者に頼むことがあり、記録も依頼先ごとに分かれます。例えば目黒区は、区の捕獲事業では捕獲処分後の侵入口ふさぎなどの対策は行わず、必要なら自分で事業者等へ依頼するよう案内しています(2026年4月更新のページ)。お住まいの自治体の扱いは、自治体のページで確認してください。
書面に「一式」とだけある作業は、中身を質問して回答を残します。国民生活センターの2024年の報告書は、害虫(ハチ)の事例で、契約書のサービス内容が「一式」とだけ書かれていたものを、書面に不備があると思われる例に挙げています。不備かどうかを自分で判断する必要はなく、具体的な説明を求めれば十分です。
侵入口への対策が含まれていたなら、対策した場所と数、その場所の作業前後の写真を受け取ります。どこを対策し、どこを対策しなかったのかが分かると、あとで何かに気づいたときに、契約先へ場所を伝えやすくなります。
確認リスト
- 作業を目的ごとに分け、場所と数を書き出した
- 見積や契約書面の作業と、報告書・写真の内容を見比べた
- 「一式」など中身が分からない記載は、契約先に質問して回答を残した
- 侵入口への対策をした場所・数と、その写真を受け取った
- 自治体の事業など、ほかの依頼先に頼んだ作業と記録を分けた
03保証と再訪問の条件を確認する
保証の条件は会社ごとに違い、当サイトが2026年9月に確認した広告主の公開ページでも表示はさまざまでした。比べ方の基本は「業者選びで確認したい、6つのポイント」にまとめています。契約したあとは、保証書の文面で、いつから数えるのか(作業日か支払日か)、宛名や住所が契約どおりか、点検を受けることが保証の条件になっていないか、施工した場所以外で気づいた場合はどう扱われるかを読み直します。
保証の期間が長いことは、再発しないことの証明ではありません。保証の年数よりも、何が対象で、使うときにどこへ何を持って連絡すればよいかが、あとで役に立ちます。
点検や再訪問が契約に含まれる場合は、回数、時期、費用を書面で確認します。予定が書面にないときは、次にいつ何を確認するのか、気づいたらいつまでに連絡すればよいかを契約先に聞いておきます。
確認リスト
- 保証書の期間・対象・対象外の条件を読み直し、いつから数えるかと宛名を確かめた
- 点検が保証の条件になっているか、施工した場所以外で気づいた場合の扱いを確認した
- 保証を使うときの連絡先・受付時間・必要な書類を確認した
- 点検や再訪問の予定・回数・費用(出張費を含む)を確認した
- 口頭で聞いた条件は、書面かメールで残してもらった
04再び気づいた変化を相談する

作業のあとで音やにおい、しみなどに気づいたら、まず記録します。いつ、どこで、何に気づいたかを見たまま書き、施工した場所と同じかどうかは推測で決めません。しみなどは普段いる場所から撮れる範囲で日付と一緒に写真に残せば十分で、天井裏に上がったり、ふんに触れたりする必要はありません。記録の取り方は「屋根裏の物音。相談前に整理したいこと」にもあります。賃貸住宅では、管理会社や大家を通じて手配したならまず管理窓口に契約先を確かめ、自分で手配した場合も管理窓口へ伝えておきます(「賃貸で気づいたら。まず連絡する前に」)。
次に、確認表と保証書を手元に置き、契約先の保証の窓口へ連絡します。次のように伝えると要点が漏れにくくなります。〔連絡文の例〕「○年○月○日に、△△(場所)の作業をお願いした□□です。○月○日ごろから、△△の近くで(音・におい・しみなど)に気づきました。施工した場所と同じかどうかは分かりません。保証の対象になるか、再訪問に費用がかかるか、来ていただける日程を教えてください。回答はメールでもいただけますか。」回答は、日時と担当者名と一緒に残します。
保証の約束が守られない、連絡が取れないといった場合は、消費生活センター等に相談できます。国民生活センターも2018年の資料で、駆除などの不十分な作業に対応されない場合の相談を呼びかけています。消費者ホットライン「188」に電話すると、最寄りの消費生活センター等を案内してもらえます。相談は無料で、通話料は自己負担です。
別の会社への相談を考えるのは、保証期間が終わっている、保証の対象外であることを書面で確かめて納得した、といった場合です。対象外という説明に納得できない、支払ったのに連絡が取れない、返金や解約でもめているときは、別の会社を探す前に188で相談してください。当サイトの比較ページは新しい相談先の条件を確かめるためのもので、契約トラブルを解決する窓口ではありません。新たに見積を取るときの比べ方は「害獣駆除の見積を、同じ条件で比べる」にまとめています。
確認リスト
- 気づいた日時・場所・変化を、推測と分けて記録した
- 確認表と保証書を手元に、まず契約先の保証の窓口へ連絡した
- 保証の対象か・再訪問の費用・来訪日を聞き、回答を日時と担当者名とともに残した
- 対応されない・連絡が取れないときの相談先(消費者ホットライン188)を控えた
- 別の会社へ相談する前に、保証期間の終了や対象外であることを書面で確かめた
05駆除後の対策でよくある質問
書面、クーリング・オフ、保証の範囲、別の会社への相談について、よくある質問に答えます。
- 保証書や報告書を受け取っていません。今からでも頼めますか。
- 契約先に、受け取れるかを問い合わせることはできます。消費者庁の特定商取引法ガイドに挙げられた書面の記載事項に、保証書・報告書・写真という項目はありません。ただし、特約などについて「定めがあるときは、その内容」を書く項目があるため、保証の条件が契約書面にどう書かれているかも見てください。保証書などを別に渡すかどうかは、会社や契約によって違います。契約書面がない場合や、どの取引に当たるか分からない場合は、消費者ホットライン188で相談してください。
- 作業が終わったあとでも、クーリング・オフはできますか。
- 訪問販売に当たる契約なら、法律で決められた書面を受け取った日から数えて8日以内であれば、クーリング・オフができます。消費者庁のガイドは、役務がすでに提供されていても対価を支払う必要はなく、建物などの現状が変わっていれば元に戻すよう無償で求めることができると説明しています。書面の記載内容に不備があるとき(国民生活センター)や、事業者がうそを告げたり威迫したりして妨げたとき(消費者庁のガイド)は、期間を過ぎてもできる場合があります。一方、自宅での契約をはっきり求めて業者を呼んだ場合は、クーリング・オフなどの規定が適用されないことがあります。ただ、消費者庁のQ&Aは、チラシの表示額と請求額に大きな開きがあった鍵の修理の例では、この適用除外に当たらないと考えられるとしています。当サイトでは個々の契約を判断できないため、書面を受け取っていない、8日を過ぎたと思う場合も、契約書面を手元に188で確認してください。
- 保証期間内なら、再訪問に費用はかかりませんか。
- 保証書の条件によります。期間内でも、対象外になる条件や再訪問の費用の扱いは会社ごとに違います。保証書で何が対象外か、出張費などがかかるかを確認し、分からない点は連絡時に質問して回答を残してください。
- 前とは別の会社に相談してもよいですか。
- 相談することはできます。ただ、保証期間内なら、まず契約先の保証が使えるかを確かめたほうが、作業や費用の重複を避けやすくなります。別の会社が施工箇所に手を加えた場合の保証の扱いも、契約先に確認しておきたい点です。契約先ともめているときは、先に188で相談してください。見積を頼むときは、確認表や写真で前回の作業の範囲を伝えます。
KEEP READING次に読みたいガイド
参考にした公的情報(一次資料)
- 国民生活センター「作業後に高額請求する害虫駆除トラブル」
- 消費者庁「訪問販売|特定商取引法ガイド」
- 消費者庁「電話勧誘販売|特定商取引法ガイド」
- 消費者庁「契約書面等に記載すべき事項の電磁的方法による提供に係るガイドライン」
- 消費者庁「通信販売|特定商取引法ガイド」
- 消費者庁「訪問販売等の適用除外に関するQ&A」
- 国民生活センター「水漏れ修理、解錠など「暮らしのレスキューサービス」でのトラブルにご注意」
- 国民生活センター「見守り新鮮情報 第546号 ネットの価格と全然違う!?害虫駆除サービスのトラブルに注意」
- 目黒区「ハクビシンやアライグマの被害でお困りの方へ」
- 国民生活センター「ネットの価格と全然違う!?害虫・害獣駆除のトラブルにご注意(報告書本文)」
- 消費者庁「消費者ホットライン(188)」
- 国民生活センター「クーリング・オフ」
- e-Gov法令検索「特定商取引に関する法律(第9条・第26条)」
確認日 2026-09-28。自治体の事業や各社の条件は変わることがあるため、依頼前に各ページの最新の内容をご確認ください。
